「AIに動画編集を手伝ってもらいたい。でも、どの編集ソフトを使えばいいのか分からない」。
そんな声が、制作現場でも企業の動画担当者からも増えています。

2026年は、AIエージェントが動画編集ソフトを直接扱えるようになった年でした。
9月にはDaVinci Resolveが公式にClaude Codeとの連携に対応。
DescriptやRemotionなども、AI向けの公式の窓口を用意しています。

ただし、どのソフトでも同じようにAIを活かせるわけではありません。
AIが「読み書きしやすい」ソフトと「扱いにくい」ソフトでは、作業効率に大きな差が出ます。

今回は、Anthropicの「Claude Code」で動画編集のプロジェクトファイルを作る・直すことを前提に、効率が上がる編集ソフトTOP10を紹介します。
あわせて、人気はあってもAIでの自動化には向きにくいソフトについても解説します。
※2026年11月5日時点の公式情報や公開情報に基づきます。

順位は、後述する評価基準に基づくLAUGHS編集部の見解です。
各ソフトの機能・価格・対応状況は変更される場合があるため、導入前に必ず公式情報をご確認ください。

目次

なぜ「プロジェクトファイル」なのか

AIで動画を作る方法は、大きく2つあります。
1つは、AIに完成した動画そのものを生成させる方法。
もう1つは、AIに編集ソフトのプロジェクトファイル(タイムライン)を作らせ、人が仕上げる方法です。

企業の動画制作で実務に向いているのは、後者です。
完成動画だけを受け取ると、「このカットだけ差し替えたい」「テロップの言い回しを変えたい」といった修正のたびに、作り直しが必要になります。
一方、プロジェクトファイルなら、AIが8割まで組み立てたものを、編集者がいつものソフトで仕上げられます。

つまり、AIに任せる範囲と人が担う範囲を、無理なく分けられるのです。

ランキングの評価基準

今回のランキングは、次の5つの観点で評価しました。

① 公式の対応:メーカー自身が、AIエージェント向けの連携(MCP)やAPIを提供しているか

② ファイル形式の開かれ具合:プロジェクトファイルがXMLやJSONなどのテキスト形式で、仕様が公開されているか

③ 操作の確実さ:AIが作ったファイルが確実に開けるか、失敗したときに原因が分かるか

④ 人が後から直せるか:結果が、編集できるタイムラインとして残るか

⑤ 導入のしやすさ:価格、対応OS、使用量に応じた課金の有無

中でも重視したのが「①公式の対応」です。
有志が作った連携ツールも数多くありますが、ソフトのアップデートで動かなくなることも少なくありません。
業務に組み込むなら、メーカーが公式に用意している仕組みのほうが安心です。

なお、MCP(Model Context Protocol)とは、AIが外部のアプリやサービスを操作するための共通の仕組みのことです。

Claude Codeで効率が上がる動画編集ソフトTOP10

順位 ソフト AI連携 形式・操作方法 価格の目安
1 DaVinci Resolve Studio 公式(MCP) アプリを直接操作 有料(買い切り)
2 Descript 公式(MCP・API) クラウドで操作 プラン+クレジット
3 Remotion 公式(Agent Skills) 動画をコードで作る 小規模は無料
4 Final Cut Pro コミュニティ製 FCPXML(公開仕様) 有料(買い切り)
5 Adobe Premiere 公式API+コミュニティ製MCP UXP APIで操作 サブスクリプション
6 ChatCut 公式(プラグイン) アプリを直接操作 プラン+クレジット
7 Kdenlive コミュニティ製 MLT XML(公開仕様) 無料
8 Shotcut コミュニティ製 MLT XML(公開仕様) 無料
9 Blender コミュニティ製 Pythonで操作 無料
10 OpenShot コミュニティ製 JSON 無料

ここからは、それぞれの特徴と向いている使い方を解説します。

1位〜3位:公式にAIエージェントへ対応したソフト

1位 DaVinci Resolve Studio|公式にClaude Codeと連携

2026年9月8日、Blackmagic Designは「DaVinci Resolve 21.1」を発表しました。
このアップデートで、ClaudeやClaude Code、ChatGPT CodexなどのAIアシスタントとの連携に対応しています。

会話で指示するだけで、プロジェクトの分析、素材の整理、設定の変更、まとめての書き出しができます。
公式の発表では、「長尺の動画からハイライト編集を作る」「不要なクリップを取り除く」「納品用のデータを書き出す」といった使い方が紹介されています。

プロの現場で使われている編集ソフトにメーカー公式のAI連携が入ったことは、大きな転換点と言えます。
編集、カラー、音声、書き出しまで1つのソフトで完結するため、AIに任せられる範囲が広いのも強みです。

注意点:この機能は有料の「DaVinci Resolve Studio」限定です。
Blackmagic公式の機能表では、AIアシスタント連携、外部からの操作(スクリプトAPI)ともに「Studio」とされています。
無料版ではClaude Codeから操作できない点に注意しましょう。

2位 Descript|公式MCPで、文字起こしベースの編集を任せられる

Descriptは、話した内容の文字起こしを編集すると、動画も一緒に編集される「文字ベース編集」で知られるソフトです。
公式のMCPを提供しており、Claude Codeからも接続できます。

素材の読み込み、文字起こし、AIエージェント「Underlord」による編集、プロジェクトの整理、Webでの公開まで、AIから指示できます。
インタビューやセミナー、対談など、話が中心の動画との相性は抜群です。
ちなみに、Underlord自体もAnthropicのClaudeで動いています。

注意点:素材の読み込みには「メディア分数」、AI編集には「AIクレジット」を消費します。
また、AIから書き出した動画を受け取るにはWeb公開リンクを経由する必要があるなど、いくつか制限もあります。

3位 Remotion|動画そのものを「コード」で作る

Remotionは、Webサイトを作るのと同じ技術(React)で、動画をプログラムとして作る仕組みです。
2026年1月に、Claude Codeなどに向けた公式の「Agent Skills」が公開されました。

動画がまるごとコードになるため、AIが最も得意とする形式で作業できます。
文字や数字を差し替えて大量のバリエーションを作る、データをグラフで動かす、といった使い方に向いています。
商品紹介、サービス説明、SNS広告、テロップ中心の動画などで力を発揮します。

注意点:撮影した素材を細かくカットしていくような編集には向きません。
また、無料で使えるのは個人、社員3人以下の企業、非営利団体などです。
それ以外の企業は、有料のカンパニーライセンスが必要です。

4位〜6位:プロ向けソフトと、AI前提の新しいエディタ

4位 Final Cut Pro|仕様が公開されたFCPXMLが強み

Final Cut Proのプロジェクトは「FCPXML」という形式で書き出し・読み込みができます。
仕様が公開されたXML形式なので、Claude Codeが読み書きしやすいのが特徴です。
2026年1月のFinal Cut Pro 12.0ではFCPXMLが1.14に更新され、話した言葉で素材を探せる「テキスト検索」も加わりました。

「FCPXMLを書き出す → Claude Codeがカット編集やマーカーを加える → Final Cut Proに読み込む」という流れが基本です。

注意点:Apple公式のAIエージェント連携はなく、有志が作ったツールを使うことになります。
Mac専用である点にも注意が必要です。

5位 Adobe Premiere|公式APIはあるが、AI連携はこれから

Adobe Premiere(2026年1月のバージョン26.0で「Premiere Pro」から名称変更)には、公式の拡張機能用API「UXP」があります。
シーケンス、トラック、マーカーなどをプログラムから操作でき、編集内容は取り消しも可能です。

このAPIを使って、Claude Codeから操作するためのMCPを有志が多数公開しています。
使い慣れたPremiereの画面で、AIが組んだタイムラインを確認しながら仕上げられるのは大きな魅力です。

注意点:2026年11月時点で、Adobe公式のMCPは確認できませんでした。
有志のツールは、対応するPremiereのバージョンや接続方式がそれぞれ異なります。
導入前に、自社で使っているバージョンで動くかを確認しましょう。

6位 ChatCut|Claude Code用の公式プラグインを持つAI前提のエディタ

ChatCutは、最初からAIエージェントとの連携を前提に作られた動画エディタです。
Claude Code用の公式プラグインと、デスクトップアプリから操作するための仕組みを提供しています。

文字起こしをもとにした言い間違いや間の削除、テロップ、BGM、画像生成などを、Claude Codeから指示できます。
話が中心の動画やSNS向けの短い動画を、スピーディーに仕上げたい場合の選択肢になります。

注意点:AIによる生成機能はクレジットを消費します。
料金体系は、公式サイトで最新の内容をご確認ください。

7位〜10位:無料で始められるオープンなソフト

7位 Kdenlive|オープンなXML形式で、AIとの相性が良い

Kdenliveは、無料で使えるオープンソースの編集ソフトです。
プロジェクトファイルは「MLT」というオープンなXML形式で、Claude Codeが中身を読んで編集しやすい構造です。
2025年のバージョン25.04からは、編集ソフト間でタイムラインを受け渡す共通形式「OpenTimelineIO」にも対応しています。

ソフトを起動しなくてもプロジェクトファイルを直接作れる、有志製のMCPも公開されています。

8位 Shotcut|画面を開かずに書き出しまでできる

Shotcutも、Kdenliveと同じMLTの仕組みを使う無料ソフトです。
コマンドから書き出しや検証ができるため、AIが「作る → 書き出す → 確かめる」までを画面なしで進められます。

作成から検証、書き出しまで対応し、上書きする前にバックアップを取る仕組みを備えた有志製のMCPもあります。

9位 Blender|Pythonでほぼすべてを操作できる

3DCGソフトとして有名なBlenderには、動画編集機能(ビデオシーケンサー)も備わっています。
Pythonでほぼすべての機能を操作できるため、AIとの相性は良好です。

注意点:バージョンによって操作方法が変わり、有志製のツールが動かなくなる報告もあります。
本格的な業務利用には、ある程度の技術的な知識が必要です。

10位 OpenShot|シンプルなJSON形式

OpenShotのプロジェクトファイルはJSON形式で、中身を読み解きやすい構造です。
ただし、外部から操作するための仕組みがないため、AIはファイルを直接書き換えることになります。
編集中はOpenShot側でプロジェクトを閉じておくなど、運用上の注意が必要です。

人気でも「AIでの自動化」には向きにくいソフト

使いやすさや人気と、AIでの自動化のしやすさは、必ずしも一致しません。
ここでは、身近なソフトの中でも、現時点ではAIによるプロジェクトファイル作成に向きにくいものを紹介します。

CapCut|公式の編集APIがなく、バージョンによる差が大きい

SNS動画で人気のCapCutですが、2026年10月時点で公式の編集APIは公開されていません。
有志の調査では、中国版の「剪映」はプロジェクトファイルが暗号化されていると報告されています。
また、一部のバージョンでは、外部で作ったプロジェクトを受け付けないという報告もあります。

アップデートのたびに動作が変わる可能性があるため、業務の仕組みに組み込むのは慎重に判断したいところです。

Filmora|ファイル形式が非公開で、失敗の原因が分かりにくい

Filmoraは初心者にも扱いやすい人気のソフトですが、2026年9月時点で公式のMCPは確認されていません。

LAUGHSの制作現場でも、Claude CodeでFilmoraのプロジェクトファイルを作れないか検証したことがあります。
ファイルの中身はJSONでしたが、仕様は公開されていません。
一部の項目が欠けているだけで、エラーも出ずに「開けない」状態になり、原因を突き止めるまでに何度も試行錯誤が必要でした。

実務では、Filmoraで作った既存のプロジェクトを複製し、Filmoraの機能で素材を差し替える方法が確実でした。
「AIが読み書きできる形式かどうか」が、いかに効率を左右するかを実感した事例です。

自社に合うソフトを選ぶ3つのポイント

1.作りたい動画の種類から選ぶ

インタビューやセミナーなど話が中心の動画なら、文字起こしベースで編集できるDescriptやChatCut。
商品紹介やデータを使った動画を量産したいならRemotion。
撮影素材を本格的に編集・カラー調整したいなら、DaVinci Resolve Studioが有力です。

2.今使っているソフトとの相性を見る

すでに編集チームがPremiereやFinal Cut Proを使っているなら、ソフトを乗り換えるより、AIにタイムラインを組ませて、いつものソフトで仕上げる形が現実的です。
FCPXMLやOpenTimelineIOなど、ソフト間でタイムラインを受け渡す共通形式を活用する方法もあります。

3.「公式対応」と「人の確認」を前提にする

有志が作った連携ツールは便利な反面、公式のサポートはありません。
また、AIにパソコン上のソフトを操作させることになるため、どこまでの操作を許可するかを決めておくことも大切です。
AIが作ったタイムラインは、公開や納品の前に必ず人が確認する。
この運用を前提にすれば、AIに任せる範囲を安心して広げていけます。

まとめ:AIに8割を任せ、仕上げは人が担う時代へ

Claude Codeで動画編集の効率を上げるカギは、「AIが読み書きしやすいソフトを選ぶこと」です。
2026年は、DaVinci Resolve、Descript、Remotion、ChatCutなどが公式にAIエージェントへの対応を進め、選択肢が一気に広がりました。

一方で、AIに任せるほど大切になるのが、企画や構成、仕上げの判断といった「人にしかできない工程」です。
AIに8割を組み立ててもらい、伝えたいことが伝わる動画に仕上げるのは人の役割です。

LAUGHSでは、YouTube運用支援をはじめ、企画から撮影・編集・運用まで、企業の動画活用を一貫してサポートしています。
AIを取り入れた制作フローの見直しや、自社に合った動画制作の進め方についても、お気軽にご相談ください。

「AIを使って動画制作を効率化したい」「自社でどこまで内製できるか知りたい」とお考えのご担当者様は、お問い合わせページからご連絡ください。

参考資料

YouTubeチャンネルの成功は技術です。

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