「AIに質問して答えをもらう」使い方には、もう慣れてきた。
でも、毎週の集計や資料づくり、定型の確認作業は、相変わらず自分の手で回している。
そんな方にこそ知ってほしいのが、Anthropicの「Claude Code(クロード・コード)」です。
Claude Codeは、もともとエンジニア向けに作られたAIエージェントです。
ただ、開発チーム自身が公開している使い方を読むと、プログラミングに限らず、日々の業務を「任せて回す」ためのヒントが詰まっています。
Anthropic社内でも、マーケティングや法務、デザインといったエンジニア以外のチームが活用しています。
今回は、公式に公開されている「パワーユーザー向けのコツ」と社内チームの活用事例から、動画・Web・EC運用の現場でも取り入れやすい使い方を厳選して紹介します。
※2026年11月5日時点の公式情報に基づきます。
機能やコマンドは、ご利用のプランやバージョンによって使えない場合があります。
掲載する業務例は活用イメージであり、効果を保証するものではありません。
Claude Codeは「答える」より「作業を進める」AI
チャット型のAIは、質問に答えたり文章を作ったりするのが得意です。
一方のClaude Codeは、パソコン上のファイルを読み書きし、コマンドを実行し、ブラウザで確認しながら、作業そのものを進めていきます。
たとえば「このフォルダのCSVを集計して、レポートにまとめて」と頼めば、ファイルを開き、計算し、結果をファイルとして保存するところまで進めます。
ターミナルだけでなく、デスクトップアプリやWeb版、スマートフォンのアプリからも使えるようになりました。
だからこそ大切なのが、「何を任せ、どこを人が確認するか」の設計です。
ここからは、公式のコツをその視点で読み解いていきます。
公式が「いちばん大事」と言い切るコツ:AIに確かめる手段を渡す
開発チームの公式Tipsで、最も効果が大きいと強調されているのが「検証」です。
AIが自分の作業結果をチェックできる手段を用意しておく、という考え方です。
エンジニアであればテストの実行がその代表ですが、業務に置き換えると、たとえば次のような形になります。
- 作ったWebページを、ブラウザで実際に開いて表示崩れがないか確認させる
- 集計結果を、元データの合計値と突き合わせさせる
- 記事の下書きを、文字数や必須項目のチェックリストと照らし合わせさせる
「作って終わり」ではなく「確かめるところまでが仕事」と伝えておく。
これだけで、人が手直しする量は大きく変わります。
依頼文の例
このフォルダの商品データから、LP用の商品一覧ページを作ってください。
完成したらブラウザで開き、スマートフォン幅でも表示が崩れていないか確認してください。
価格と商品名が元データと一致しているかもチェックし、ズレがあれば一覧にして報告してください。
活用例① 毎日くり返す作業は「スキル」にしておく
公式Tipsには、「1日に1回以上くり返す作業は、スキルにしよう」とあります。
スキルとは、作業の手順や判断基準を書いておく指示書のようなもの。
一度作っておけば、名前を呼ぶだけで同じ品質の作業をくり返せます。
紹介されている例の一つが、Slack、Googleドライブ、Asana、GitHubなどに散らばった1週間分の動きを集めて、振り返りにまとめるコマンドです。
「今週何をしたか」を思い出しながら書く時間を、まるごと任せてしまう発想です。
依頼文の例
毎週金曜に使う「週次まとめ」のスキルを作ってください。
メールとカレンダーから今週の打ち合わせ・対応した案件を集め、「完了したこと」「進行中」「来週の判断が必要なこと」に分けて整理する内容です。
事実と推測は分け、情報が取れなかったものは「未確認」と書くようにしてください。
ポイントは、スキル自体もAIに作ってもらえること。
一度作業を一緒にやってみて、「今の手順をスキルにして」と頼むのがいちばんの近道です。
活用例② PCを閉じていても、決まった仕事を回す
スキルと組み合わせたいのが、定期実行の仕組みです。
公式Tipsでは「よく使う作業は、スキルと定期実行の組み合わせにする」ことが勧められています。
- /loop:手元の環境で、決まった作業を一定間隔でくり返す(最長3日)
- /schedule:クラウド上で動くため、ノートPCを閉じていても毎日・毎週実行される
公式では、前日の更新内容をもとに毎日ドキュメントを更新し、Slackへ投稿する例が紹介されています。
業務に置き換えれば、毎朝の競合チャンネルのチェック、週次の数値レポート、ブログ下書きの作成などが候補になります。
ここで大事なのは、「公開」や「送信」のような取り消しにくい操作は、人の確認を挟むことです。
AIには下書きまでを任せ、最終判断は担当者が行う。
この線引きを最初に決めておくと、安心して任せる範囲を広げていけます。
活用例③ 広告データの分析と改善案づくりを、数時間から数分へ
Anthropicのグロースマーケティングチームは、数百本分の広告データ(CSV)をClaude Codeに読み込ませています。
成果の悪い広告を見つけ出し、文字数制限を守った新しい広告文の案まで作るワークフローです。
分析を担当するAIと、広告文を作るAIの2つに役割を分けているのが特徴です。
同社によると、これまで数時間かかっていた作業が数分で終わるようになったといいます。
依頼文の例
この広告レポートのCSVを分析してください。
クリック率とコンバージョン率が平均を下回る広告を抽出し、考えられる原因を仮説として整理してください。
そのうえで、見出し30文字・説明文90文字以内の差し替え案を、各広告につき3つ作ってください。
入稿はせず、案の一覧ファイルとして保存してください。
YouTube広告やSNS広告の運用でも、同じ考え方がそのまま使えます。
活用例④ 散らばった資料を「手順書」にまとめておく
Anthropicのセキュリティチームは、複数の資料をまとめてトラブル対応の手順書にし、それをClaude Codeに読ませて作業しています。
データチームでは、新しく加わったメンバーが仕組みを理解するための案内役としても使っているそうです。
動画制作やWeb運用でも、「この作業はあの人しか分からない」という場面は少なくありません。
入稿ルール、公開前のチェック項目、クライアントごとの注意点などを手順書にしておけば、AIにも新しいメンバーにも同じように引き継げます。
公式Tipsでは、AIが間違えたときに「同じ間違いをしないよう、ルールを書き足して」と頼み、その場でルール集を育てていく方法も紹介されています。
使うほどに、自社の仕事のやり方を覚えたアシスタントになっていくイメージです。
外出先から、声で仕事を振る
パソコンの前にいない時間も、仕事を前に進められます。
- スマートフォンから操作:Remote Control機能を使うと、事務所のパソコンで動いている作業を、外出先のスマートフォンから確認・指示できます
- メッセージで依頼:Apple製品なら、iMessageのプラグインを入れてメッセージで作業を送れます
- 音声で指示:開発チームによると、話すほうが打つより約3倍速いとのこと。デスクトップアプリのマイクボタンなどで音声入力できます
移動中に「今日の打ち合わせメモを整理しておいて」と声で頼み、戻ってから結果を確認する。
そんな働き方が、特別な準備なしに実現しつつあります。
上手に使うための4つのコツ
最後に、公式Tipsの中から、どんな業務にも効く使い方のコツを紹介します。
1.まず計画を立てさせてから、実行させる
いきなり作業させるのではなく、最初に「どう進めるか」の計画を出してもらい、内容に納得してから実行に移します。
途中で方向がズレたら、その場で直し続けるより、計画に戻って立て直すほうが早いとされています。
2.いまひとつなら「作り直して」と頼む
最初の結果に満足できないときは、「今わかっていることを踏まえて、いったん捨ててもっと良い形で作り直して」と頼むのも有効です。
一度取り組んだことで、AIのほうも課題の全体像をつかんでいるからです。
3.作業中でも、横から質問できる
「/btw」を使うと、AIが長い作業をしている途中でも、それを止めずにちょっとした質問ができます。
4.AIに「理解度クイズ」を出してもらう
公式Tipsでユニークなのが、AIに変更内容についてのクイズを出させ、合格するまで次へ進まないという使い方です。
任せきりにせず、自分も中身を理解しておくための工夫として、業務の引き継ぎや新しいツールの習得にも応用できます。
LAUGHSが考える、AIエージェントを業務に取り入れる第一歩
Claude Codeのような「作業を進めるAI」は、上手に使えば、資料づくりや集計、確認作業にかかる時間を大きく減らしてくれます。
ただし、最初から多くを任せる必要はありません。
まずは、毎週くり返している作業を1つ選んでみてください。
週次レポートの整理でも、広告データのチェックでも構いません。
その作業をAIと一緒に一度やってみて、手順をスキルにし、慣れてきたら定期実行に移す。
「公開」「送信」の前には必ず人が確認する。
この順番で進めると、無理なく任せる範囲を広げていけます。
LAUGHSでも、こういった記事の下書き作成や動画制作行程、Analytics分析やセキュリティ対応などにAIを取り入れ、公開前に担当者が内容を確認する運用を行っています。
YouTube運用や動画制作、WEB・EC運用の現場で、AIをどう組み込めば成果につながるのか。
YouTube運用支援をはじめ、制作と運用の両面から一緒に考えています。
「自社の業務のどこにAIを使えるか知りたい」「動画やWebの運用をもっと効率化したい」とお考えのご担当者様は、お問い合わせページからお気軽にご相談ください。
参考資料