「生成AIがあれば、動画もコンテンツも社内で作れるのでは?」…
そんな期待から、制作の内製化に踏み出す企業が増えています。
一方で、実際に始めてみると「思ったような仕上がりにならない」「担当者によって品質がバラバラ」という声も少なくありません。
今回は、2026年9月に公表された調査データをもとに、AI時代の動画制作・チャンネル運用で成果を出すための「工程の分け方」を整理します。
データで見る:内製化は進んだが、AIの使いこなしに課題
ナイル株式会社が2026年9月8日に発表した「コンテンツ制作の内製化における課題調査」(コンテンツ制作を内製している企業担当者954人対象、2026年8月実施)によると、制作体制は「社内中心+一部外注」が38.4%、「ほぼすべて社内で制作」が24.4%と、6割超の企業が社内中心で制作を行っています。2023年以降に内製化を進めた企業は7割以上にのぼり、同社は生成AIの普及が内製化を後押しした可能性を指摘しています。
内製化の理由は「外注コスト削減」が44.4%で最多、「生成AIで制作するようになったため」も27.0%ありました。そして注目したいのが課題面です。
- 制作できる人材が足りない:42.3%
- 担当者によって品質にばらつきがある:41.4%
- 生成AIで思ったような内容・文章を出力できない:75.0%
- AIへの指示(プロンプト)を考えるのが難しい:72.7%
この調査はWebコンテンツ全般を対象としたもので、動画に限った数字ではありません。ただ、「AIを導入したのに狙った品質に届かない」という構図は、動画制作やYouTubeチャンネル運用の現場でもそのまま当てはまる悩みだと私たちは感じています。
動画制作で「AIに任せやすい工程」と「人が担うべき工程」
AIは万能の制作担当者ではなく、得意・不得意がはっきりした道具です。成果が出ているチームほど、工程ごとに役割を切り分けています。
AIに任せやすい工程
- 文字起こし・字幕作成:音声からテロップの下地を作る作業は、AIによる時短効果がもっとも分かりやすい領域です。
- 粗編集(不要部分のカット):無音や言い淀みの除去、文字起こしテキストを編集すると映像も連動してカットされるタイプの編集ツールが普及しています。
- 音声のノイズ除去・画角の自動調整:横長動画を縦型ショート用に切り出すリフレーミングなど、主要な編集ソフトに標準搭載される機能が増えました。
- 企画のたたき台づくり:タイトル案や構成案の「最初の10案」を出す壁打ち相手として有効です。
人が担うべき工程
- 誰に何を届けるかの設計:ターゲット、チャンネルの方向性、動画ごとの目的(認知・採用・問い合わせなど)はAIが決めてくれるものではありません。
- 自社ならではの一次情報:現場の声、社員の表情、実際の事例。AIが生成できない素材こそが動画の差別化要因になります。
- 最終的な品質判断と事実確認:ブランドのトーンに合っているか、誤った情報や権利上の問題がないかのチェックは、人の責任で行う必要があります。
- 公開後の分析と改善:視聴維持率やクリック率を見て次の企画に活かす運用サイクルは、成果を左右する最重要パートです。
品質のばらつきを防ぐ3つの仕組み
調査で4割超が挙げた「担当者による品質のばらつき」は、個人のスキルではなく仕組みで解消するのが近道です。
1. 制作ガイドラインを先に作る
テロップのフォントや色、冒頭の構成、サムネイルのルールなどを明文化します。AIへの指示文(プロンプト)にもこのガイドラインを組み込めば、出力のブレが小さくなります。
2. プロンプトをチームの資産にする
7割以上が「指示を考えるのが難しい」と答えているからこそ、うまくいった指示文は個人のメモに留めず、テンプレートとして共有しましょう。属人化を防ぐ効果があります。
3. 「全部内製」にこだわらない
調査でも最多は「社内中心+一部外注」でした。戦略設計や撮影、仕上げの編集など品質を左右する部分は専門家に任せ、日々の素材準備や粗編集は社内とAIで回す…このハイブリッド型が、コストと品質のバランスを取りやすい現実的な選択肢です。
LAUGHSがお手伝いできること
株式会社LAUGHSでは、企業のYouTubeチャンネル運用支援をはじめ、採用動画の制作、EC・Webサイト制作まで一貫してサポートしています。
AIツールを活用した効率化を取り入れつつ、企画設計や品質管理といった「人が担うべき工程」に力を注ぐことで、継続しやすく成果につながる運用体制づくりをご一緒しています。
「社内でどこまでやって、どこから任せるべきか」という切り分けの段階からご相談いただけます。
まとめ
生成AIの普及で、コンテンツ制作の内製化は確実に進みました。しかし、AIを入れただけでは品質は安定しないことも、データが示しています。
ポイントは、AIに任せる工程と人が担う工程を切り分け、ガイドラインとプロンプトの共有で品質を仕組み化すること。
そして必要に応じて外部の力を上手に組み合わせることです。
「AIを取り入れて動画制作を効率化したい」「YouTube運用を始めたいが社内体制に不安がある」という企業ご担当者さまは、ぜひお気軽にお問い合わせページからご相談ください。
貴社の状況に合わせた進め方を一緒に考えます。