「動画編集にAIを使いたいけれど、ツールが増えすぎて何から触ればいいかわからない」…そんな声をよく耳にします。
生成AIのサービスは次々に登場していますが、素材を書き出しては別のツールに読み込み、また戻す……という行き来そのものが、現場の負担になっているケースも少なくありません。
そんな中、2026年9月に公開されたAdobe Premiereのバージョン26.5では、AI機能が編集ソフトの「中」に入ってくるアップデートが発表されました。
今回は、企業の動画制作やYouTubeチャンネル運用に関わる方に向けて、押さえておきたい3つのポイントをわかりやすく解説します!
ポイント1:タイムライン上で素材を生成できる「Generative Media Tool」
今回のアップデートの目玉が、Generative Media Toolです。Adobeの公式コミュニティの発表によると、テキストで指示を出すだけで、動画や効果音をPremiereの中で生成でき、生成結果はそのまま編集可能なクリップとしてシーケンスに配置されます。
業界メディアPost Magazineの記事では、使用するモデルとしてAdobe Fireflyのほか、Google Veo、Kling、Runway、Lumaといったパートナーモデルを選べると紹介されています。
プロジェクト内のフレームを参照画像として使い、タイムラインの「すき間」を埋める映像を生成する使い方も想定されているとのことです。
企業の現場ではどこで役立つ?
たとえば、インタビュー動画で「ここに一瞬つなぎのカットが欲しい」「場面転換に合う効果音が足りない」といった場面。
これまでは素材サイトを探したり、別の生成AIサービスを開いたりする必要がありましたが、編集画面から離れずに補えるようになります。
なお、環境音を生成するGenerate Soundscapeや、BGMを生成するGenerate Musicは、記事執筆時点ではベータ版として紹介されています。
ポイント2:文字起こしから粗編集をつくる「Paper Edit」
企業チャンネルの運用で特に注目したいのが、新機能のPaper Editです。
これは、文字起こし(トランスクリプト)をもとに粗編集を組み立てる機能。
テキストパネル上で「残したい発言」を選び、プレビューで確認したうえで、新しいシーケンスを作成できます。
Adobeはこの機能を、インタビューやポッドキャスト、会話中心のプロジェクト向けと位置づけています。
つまり、社員インタビュー、対談、セミナーのアーカイブ、採用動画といった、企業が最もよく制作するタイプの動画と相性が良い機能です。
「映像を見ながら探す」から「文章を読んで選ぶ」へ
60分の収録素材から使いどころを探す作業は、編集工程の中でも特に時間がかかる部分です。
文章として読みながら選べるようになれば、編集担当者だけでなく、広報や人事の担当者が「どの発言を使いたいか」を判断する場面にも参加しやすくなります。
編集スキルの有無にかかわらず、企画意図を持つ人が構成に関われる…これは制作体制そのものを変える可能性を持っています。
ポイント3:「音」と「色」の調整もAIがアシスト
視聴維持に大きく影響するのに、後回しにされがちなのが音声の品質です。
Post Magazineによると、今回あわせて次のようなAIオーディオ機能がパブリックベータとして紹介されています。
- Enhance Audio:1つのクリップからセリフ・音楽・環境音・効果音を分離
- Separate Crosstalk:重なった複数話者の声を別々のトラックに分割
- Dynamic Auto Ducking:キーフレームを手で打たずに、会話とBGMの音量バランスを自動調整
また、ベータ版のColor Modeには、色温度と露出をワンクリックで補正するAuto Colorが加わっています。
さらに、被写体を切り抜くObject Maskには、輪郭のはっきりした対象に向くSharpモードと、髪や布のような細部に向くSmoothモードが追加されました。
対談収録で声がかぶってしまった、会議室の照明で顔色が悪く映った…そんな「撮り直せない素材」を救う手段が増えているのは、心強いポイントです。
AIが速くしてくれるのは「作業」、決めるのは「人」
ここまで見てきたように、AIは素材づくり・粗編集・音と色の調整といった作業の時間を大きく縮めてくれます。
一方で、「誰に何を伝える動画なのか」「どの発言がその会社らしさを表しているのか」「視聴者が最後まで見たくなる構成はどれか」といった判断は、引き続き人の役割です。
また、ベータ版の機能は仕様が変わる可能性がありますし、生成した映像や音を企業の公式コンテンツに使う際は、利用条件や社内ルールの確認も欠かせません。
まずは社内向けの動画や、公開前の粗編集など、リスクの小さいところから試してみるのがおすすめです。
株式会社LAUGHSでは、YouTube運用支援をはじめ、採用動画の制作やEC・Webサイト制作まで、企画から編集、公開後の改善までを一貫してサポートしています。
AIツールで効率化できる部分は積極的に取り入れつつ、企画や構成といった「人が考えるべき部分」にしっかり時間をかける…そんな制作体制づくりもご一緒できます。
まとめ
Premiere 26.5のアップデートは、AIが「別のツール」から「編集ソフトの一部」へと変わりつつあることを示しています。
- タイムライン上で動画・効果音を生成できるGenerative Media Tool
- 文字起こしから粗編集を組み立てるPaper Edit
- 音声分離や自動ダッキング、Auto Colorなどの仕上げ支援
編集の手間が減るぶん、動画の本数を増やしたり、企画を磨いたりする余裕が生まれます。これは、限られた人数で動画に取り組む企業にとって大きなチャンスです!
「自社でもAIを取り入れた動画制作を始めたい」「YouTubeチャンネルの運用体制を見直したい」とお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせページからご相談ください。現状の整理からでも、一緒に考えさせていただきます。